AiFiのカスタマイズできる小型レジ無し店舗「NanoStore」は、街の小売店に革命を起こせるか

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AiFiのカスタマイズできる小型レジ無し店舗「NanoStore」は、街の小売店に革命を起こせるか

Text : なまっちゃ / Editor : 吹原紗矢佳

無人店舗は小売業界の人手不足を解消する一手として期待が集まる。2018年1月の「Amazon Go」を皮切りに、スマホやセンサーカメラ、AIなどを導入した店舗改革が進む。Trigo VisionZippinのような資金調達額が数千万ドル規模のベンチャー企業が急速に成長をしていることからも、レジ無し店舗の需要が高まっていることがわかるだろう。

今回は、キャッシュレスストアに新たなシステムを搭載し、自由にカスタマイズできるAiFiの小型レジ無し店舗「NanoStore」について解説する。

NanoStoreは、わずか15平方メートルのキャッシュレスストア

アメリカのサンタクララで2016年2月に設立されたAiFiは、VISA主催の「Everywhere Contest2018」で900社以上もの応募から選ばれ受賞したスタートアップである。同社は、2019年1月13日に「NanoStore」を販売することを発表。わずか15平方メートルしかない小型店舗には、カメラやPCを搭載したセンサーが設置してあり、これにより手軽な購買体験を可能にしている。

AiFi CEO兼共同設立者のSteave Gu氏によると、このアイデアで小売業者は店舗に豊富なカスタマイズができるようになることに加え、それにかかるコストを最小限に抑えられるという。また「NanoStoreに設置される組み立て式の設備や冷却ユニットは、必要に応じて再構成や交換ができる。また、これらはブランド化されていないため、オーナーは好きなように看板やロゴを追加して、どこにでも展開できる」とGu氏はコメントした。

顧客とオーナーの双方にメリットがあるNanoStoreの仕組み

NanoStoreの小さな屋根の下には、多くのテクノロジーが詰まっている。物体検出アルゴリズムを搭載したカメラは、AiFiの大型ショップと同じ物を使用している。このカメラは、客の動きや、客がショッピングカートに入れた何万もの製品を追跡できる。

また、顔認識やその他のコンピュータービジョン技術を使用し、客の足取りや歩き方、体の姿勢、移動経路、商品を手に取ったり戻したりする動作など、店内での行動を記録する。不自然な行動も発見できるようになるため、万引きなどの犯罪行為を未然に防止できると考えられる。

会計時は、客がクレジットカードをスキャンするか、アプリの操作で購入する商品を確認でき、レシートを持ってそのまま退店できる。

メリットがあるのは、商品を購入しにきた客だけではない。店のオーナーもAiFiのカメラで認識したデータから在庫分析レポートを受け取り、在庫が少なくなったらアラートを受け取れる。また、導入費用も他のレジ無し店舗より低価格に済む。大型店舗を無人化する場合はAiFiのカメラユニットを利用するだけでも100ドル前後を要し、さらにソフトウェアの月額使用料もかかる。AiFiでは、25人のチームにより、さらなるコスト削減に取り組んでいる。

双方向にメリットがある技術を、NanoStoreは搭載しているのだ。

NanoStoreは店舗の概念をくつがえす第一歩になるだろう

Gu氏は、NanoStoreは店舗販売の範囲を拡張するものである、と予想している。例えば、駐車場や大学のキャンパス、空港、建物の間など。 また、ショッピングモールなどの大型店舗、農産物市場、地元の工芸市や見本市の近くに定期的な出店もできると語っている。

さらに、「ショッピングモールへ足を運んでもらう代わりに、人々が住んでいる場所のできるだけ近くにNanoStoreを設置する。ローカルコミュニティに貢献するための“ラスト100フィート”のレジ無し店舗を提供していきたい」とコメントしている。

AiFiの小型レジ無し店舗のコンセプトが、現代の業界に追いついているかどうかはまだわからない。ただ、Gu氏は「世界最大規模の小売業者」を目指している。NanoStoreが世界中に広まれば、小売業界が抱える人材不足も解消し、勢力図も大きく変わることだろう。