AIで販促効果アップ!? 和歌山のスーパー「マツゲン」がGMOクラウドの店舗分析技術を導入

column

AIで販促効果アップ!? 和歌山のスーパー「マツゲン」がGMOクラウドの店舗分析技術を導入

Text : なまっちゃ / Editor : 佐々木将史

出歩く人が増える花見シーズン。実店舗を出している企業は、キャンペーンなどで販売に力を入れている。しかし、本当にそのキャンペーンは効果があるのかを観測することは難しい。一般的なPOSデータだけでは、正確な顧客の動向を読み取れないからだ。

来店客の属性をもっと詳しく把握し、在庫や陳列を見直したいと思っている小売店舗の経営者も、実は少なくないだろう。

そんな課題をAIで解決しようとしているのが、株式会社松源だ。2019年3月20日(水)〜4月上旬まで、運営するスーパーマーケット「マツゲン」の2店舗(和歌山県内)にて、花見シーズン特設コーナーへの来店客をカメラで画像解析。AI技術を用いたデータ分析を行うことで、販促効果を高めるのが狙いだ。

来店客の属性や行動パターンを、AIで分析

分析には、GMOインターネットグループのGMOクラウド株式会社が、小売店舗の販促支援を行う株式会社アルファと共に開発した「Diversity Insight for Retail byGMO」というサービスを用いている。これにより、今までスタッフが行なっていた顧客分析が、AIによって精度高く、しかもリアルタイムで可能になる。

従来のレジに設置されていたPOSは、購入された商品データと来店客の属性(性別、おおよその年齢)しか判別することができないことが多い。しかし、Diversity Insight for Retailならば、独自のAI分析技術(特許出願中)を用いることによって、来店客の年齢や性別だけでなく、ライフスタイルの属性も推察してくれるという。

また、購入者がレジにたどり着くまでの行動や、購入に至らなかった顧客の情報までもデータとして取得することができる。

公式サイトより

同サービスを利用するのに、AIの専門知識は不要だ。分析画面はWebブラウザで表示されるので、スマホやPCでいつでも確認できる。

大掛かりな設置工事や導入費用も必要なく、「紙コップ程度の小さなカメラ」を電源につなぐだけでよい。また、既存の防犯カメラも併用可能だ。

AI導入によって店員の業務負担を減らし、接客に集中

今回、マツゲンに設置された特設コーナーには、分析専用のカメラが設置されている。そこで撮影された映像を通じて、Diversity Insight for Retailによる解析をリアルタイムに行ない、来店客のデータを取得していく。

来店客の特徴を抽出した後は、速やかに画像を破棄。個人を特定しない匿名データとして利用することで、プライバシーにも配慮しているという。

観測が難しかった販促効果の検証が効率化されれば、店内レイアウトや商品配置の最適化も行ないやすい。仕入れや販売戦略そのものを見直すことで、収益改善にも貢献できるようになると考えられる。

また、業務負荷が低減されることで、スタッフは接客など他の仕事に集中できるようになる。サービスの質の向上はもちろん、人手不足への対策、働き方改革の推進など、プラス効果も期待できるとのことだ。

テクノロジーでより良い店舗体験へ

近年、AI技術が発展したことにより、今まで読み取ることができなかったようなデータを取得できるようになった。実際に経営を立て直した例として、伊勢の老舗食堂「ゑびや」がある。同社では、データを自動で取得しAI分析することによって、来客予測からの効率的なオペレーションを実現させた。

ゑびやは技術を独自に開発したが、今回のマツゲンの実証実験でDiversity Insight for Retailが結果を示せれば、多くの店舗で来店客データを正確に取得し、分析できるようになるかもしれない。

来店客により良い店舗体験や商品を提供できるよう、戦略や解決策を効率的に導けるテクノロジーが待ち望まれる。

導入内容

実施期間:2019年3月20日(水)~4月上旬(桜の散る頃)
導入店舗:
① 和歌山インター店 所在地:和歌山市田屋138番地/営業時間:9時~21時
② 西庄店 所在地:和歌山市西庄妙見409番1/営業時間:9時~22時