AIとは?小売業の未来を担うAI(人工知能)の仕組みと役割

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AIとは?小売業の未来を担うAI(人工知能)の仕組みと役割

Text : АIЯI / Editor : 吹原紗矢佳

多くの業界のビジネスに変化をもたらすと言われているAI(人工知能)。小売業界の未来にとっても、例外ではない。

小売業には、少子高齢化による人材不足や市場の縮小、業務の属人化やコスト削減など、取り組むべき課題が多い。AIは、それらの課題を解決する鍵として期待がかかる。

ここでは、そもそもAIとはどんなものなのか、小売業でどのように活用できるのかを詳しく解説する。

「AI(人工知能)」とは、人間の知的能力を人工的に再現したもの

AI(人工知能)とは、脳に備わる知的能力をコンピュータシステムによって人工的に再現したもので、認識、分析、学習、予測を自己判断で進められる。

ロボットが事前に組み込まれたプログラムによって動作するものであるのに対して、AIはプログラムで決められた以上のことを行う。自ら思考する力が備わっており、人の手を借りなくても自律的に発展していくのだ。

機械学習と深層学習(ディープラーニング)

AIにはレベルがあり、そのレベルが高くなれば機械学習や深層学習の技術が必要になる。機械学習、深層学習は混同されがちだが、実は別物だ。

機械学習では、人があらかじめ設定したプログラムをもとに大量のデータの分析し、規則性やルールを見つけ、判断や予測を行う。

深層学習は、事前に基準を設定しなくても、一定量のデータがあれば自律的に学習できる。

AIは「特化型と汎用型」、「強いと弱い」で分類できる

AIには種類がある。「特化型人工知能(AGI)」と「汎用型人工知能(GAI)」、または「強い人工知能(AI)」と「弱い人工知能(AI)」に分類できる。

特化型人工知能(Narrow AI)と汎用型人工知能(GAI)

特化型人工知能は、人が発見した課題に対し、人が能力を高めるAI。自動運転技術や画像認識など、特定の領域に特化する。

存在するAIのほとんどが特化型であり、人間以上の能力を持って実用化されたものも多い。

汎用型人工知能は自己理解・自己制御などを持ち、自ら発見した課題に対し、自ら能力を高めるAIである。多様な領域で問題を解決でき、人が設計した段階で想定される以上の能力発揮を期待できるとも言われている。

強いAIと弱いAI

強いAIは、決まった範囲をも超えて考え、動作できる人工知能である。人のように考え、認識・理解し、分析や学習、予測などを実行する。

弱いAIとは、決まった範囲の中で考える人工知能で、その範囲の中であれば人の能力を超えて動作することもできる。特化型人工知能に属するが、弱いAIはあらかじめ設定したプログラム以外のことはできない。そのため、人の補佐や能力を助長する役割を担う。

AI(人工知能)は万能ではない!事前学習のためには質の高い膨大なデータが必要

「AIは人のように考え、認識、分析、学習、予測など自己判断で行うことができる」と聞くと、AIは万能だと思われがちである。

しかし、AIは導入したからといってすぐに使えるわけではない。レベルが上がるにつれて機械学習や深層学習などの技術が必要になる、と前述したが、AIも人のように事前の学習が欠かせないのだ。

例えば、購買予測に利用するなら「購買データ」を揃えなくてはならない。ビジネスのどんな場面でAIを利用するのかによって、用途に合わせたデータが必要である。さらに、AIは人とは比べ物にならないほど膨大な学習量が可能なので、必要とするデータの量も多い。もちろん認識や分析、予測などの精度を上げるためには、データの量だけでなく質も重要になる。

またAIは、人の理解をも超える可能性がある。そのため、AIの思考プロセス自体を理解できない場合、分析結果が間違っていても人が気づけないことも考えられる。仮に分析結果の誤りに気がついたとしても、原因究明も難しくなるのだ。

さらに善悪の基準となる「倫理観」は、人にとっても感覚的なものであり、AIにデータとして学ばせることが難しいと言われている。個人情報の取り扱いや人の生命に関わる判断をどのように学ばせるのかなど、AIの実用化には課題も絶えないのである。

AIを小売業でどのように活用できるのか

これまで人が行っていた“作業”を自動化するのがロボットだとすれば、AIはこれまで人が経験と勘に頼って行っていた“判断”を自動化する。

小売業にAIを取り入れた場合、AIのレベルごとに次のような作業の手助けになると考えられる。

レベル1:単純な作業…品出し、陳列、レイアウトの変更、レジ精算
レベル2:規則性のある作業…鮮度チェック、売価チェック、商品説明、売場案内
レベル3:経験や勘による作業…発注、在庫チェック、シフト作成、価格設定
レベル4:ビジネス戦略の考案…競争力強化、収益向上、コスト削減、顧客満足度向上

あくまでも一例だが、AIのレベルが上がれば上がるほど、できることは当然増えていくのだ。

小売業が抱える課題の中でも、特に人材不足は、すでに実用化されているものも多いレベル1やレベル2程度のAIを導入するだけでも違ってくる。

経験や勘に頼った業務は限られた人に業務が偏りやすく、人為的ミスも生まれやすい。こういった業務も、レベル3やレベル4のAIが実用化されれば改善するといえる。

また、ECサイトにおいても、AI導入への期待は大きい。ECサイトを利用すれば、顧客はいつでもどこでも自由に買い物を楽しめるが、実店舗で接客を受けるのとは異なり、自分で検索をする必要がある。欲しいものが決まっているならさておき、漠然としたイメージでの買い物には向いていないのだ。そこでECサイトにAIを導入すれば、いくつかの質問への回答に応じてアイテムをレコメンドできる。

国内外問わず、すでに一部の作業に対しAIを導入しているケースもある。AIを導入することで、人の仕事がなくなるのではと危惧されることもあるが、売り場スタッフは顧客への接客に注力できる。AI技術の発展は、まさに小売業界の未来を担っていると言えるだろう。

参考文献:http://shogyokai.jp/articles/-/499
https://innovation.mufg.jp/detail/id=123
https://udemy.benesse.co.jp/ai/what-is-ai.html
https://time-space.kddi.com/special/it_words/20141112/
https://diamond.jp/articles/-/151105

ファスト系メガネ屋での販売員として働いたのち、名古屋の某WEB会社に内勤ライターとして入社。現在は、名古屋の某企業グループ会社(ネット回線)/IDENTITY(IDENTITY名古屋・DooR)/名古屋の某WEB会社(金融系)など、フリーランスのライターとして従事。以前より雑貨屋・アクセサリー作家/大学生(建築系)/Web小説家/占い師としても活動しており、執筆領域は金融・テクノロジー・小売・ライフスタイルなど多岐に渡る。

АIЯI

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