来客データを提供する実店舗「adpt」が実証開始。“店舗運営のSaaS化”が出店プロセスを簡単にする

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来客データを提供する実店舗「adpt」が実証開始。“店舗運営のSaaS化”が出店プロセスを簡単にする

Text : 多良 はじき / Editor : 佐々木将史

ポップアップストアのマーケットプレイス「SHOPCOUNTER」を運営する株式会社COUNTERWORKS(カウンターワークス)は、2019年2月14日から3月11日までの期間限定で、東京・表参道に、IoT製品・生活家電・ガジェットを取り扱う実店舗「adpt(アダプト)」をオープンさせる。

簡単に実店舗を出せる「adpt」

SaaS(Software as a Service)とは「ユーザーが必要な時に、必要な分だけサービスを利用できるツール」を広く指す。adptではSaaSのように、メーカーが必要な時だけ、気軽に実店舗を使用できる仕組みを実現させようとしている。

公式サイトより

adptを運営するCOUNTERWORKSは、店舗の販売員、商品展示用什器、在庫・売上管理・決済システムをメーカーに提供する。さらに、来店数や製品体験数、接客時の定性情報などをトラッキングしたデータも共有するという。商品展示・体験スペースを活用して、POS(販売時点情報管理)だけでは困難だったマーケティング施策に繋げることを目的としている。

今回の実証実験が行われる場所は、表参道駅から徒歩3分。青山通り沿い、ガラス張りの路面店が予定されている。

背景にあるのは、ECの拡大とD2Cの普及

近年ではインターネットの普及によって、小売におけるECの拡大傾向が続いている。また、D2C(Direct to Consumer)も普及し始めた。これはメーカーが自ら企画・製造した商品を、流通業者を介することなく、自社運営のEC上でのみ販売を展開するビジネスモデルである。

D2Cモデルを採用するメーカーでは、製品のマーケティングや顧客理解の場がオンラインに限られていた。そのため、ポップアップストアなどを活用したオフラインの重要性が増している。

IoT製品・生活家電・ガジェットは、オンラインでの売り上げは伸びているとはいえ、いまだ約7割が実店舗で販売されているという。商品単価も高く、顧客が購入するまでのハードルが高いという弱点がある。 顧客を獲得するためには、実店舗で製品の価値を実感してもらうことが大切だ。

だが、メーカーが実店舗へ出店するにあたり、店舗の選定や出店交渉、運営などのプロセスは非常に煩雑となっている。また、単に出店しただけでは売上の背景にある来店者のデータ取得も難しい。オフラインチャネルの分析までを自ら実施することは、限られたメーカーでしか実施できないのが現状だ。

今回adptでは、場所と共に来店者データを提供していくことで、購買客はもちろん、これまでわからなかった多くの非購買者の行動や意見をフィードバックし、マーケティング・製品改善を支援する活動の実証実験を行うとしている。

“店舗運営のSaaS化”の実現は、顧客との新たな接点を生み出せるか

adptはまだ実験店舗ではあるものの、COUNTERWORKSが掲げる「店舗運営のSaaS化」が実現すれば、メーカーの実店舗出店へのハードルは大きく下がるだろう。

近年、「Amazon Books」など実店舗でデータを活用する事例が次々と登場し始め、小売業界の変化も顕在化してきた

公式サイトより

D2Cに取り組むEC事業者やメーカーにとって、実店舗を通じた顧客への広い製品認知や、出店時のデータが取得できるメリットは大きい。今後、adptの本格的運用にも期待が膨らむ。

『adpt』実験店舗情報

店舗名:adpt(アダプト)
予定期間:2019年2月14日(木)~3月11日(月)
所在地:東京都港区南青山3-13-23 パテオーグセントビル1F

1979年生まれ。愛知県在住フリーライター。短大卒業後、中小企業に17年勤めながら趣味でブログをスタート。趣味のブログがキッカケで、ライター業を始める。 現在、数々の媒体でコラムなどを執筆のほか、中小企業のコピーライティング、プレスリリース、地域のボランティア活動等にも携わる。主な執筆領域は恋愛、婚活、健康、心理、マネーなど。 (ブログ)貢ぐは馬鹿だが幸である http://mikumayutan32.hatenablog.com/ (Twitter)@mikumayutan

多良 はじき

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